【中学生】演劇と体験で考える、見守りと助け合い!

海城中学校「安全ワークショップ」

プロの俳優のお芝居を観て考える

海城中学校の1年生を対象とした安全ワークショップを実施しました。年3回、全生徒が参加する大規模なプログラム。かれこれ10年ほど継続実施中。

このワークショップの特徴は、①演劇と、②体験型プログラムをとおして、
お互いがほどほどに快適にすごすことができるためのコミュニケーション(=カイテケーション)を考える」こと。
すなわち、防犯を超えて”安全”そのものを深堀りする全国唯一の授業です。

海城中学校では、「新しい紳士」を掲げて、「学力」とともに新しい時代を生きるための「人間力」育成に力を入れており、演劇をはじめとする文化教養、ワークショップ等の体験型プログラムが多く実施されています。

さて、私が担当する安全ワークショップのテーマは、第1回「想像力を大切に!」(4月)、第2回「”伝える”と”伝わる”はちがう」(9月)、そして最終回の第3回「行動力を発揮してみよう!」です。

ここでいう「行動力」は、おもに3つ。①個人の行動力、②みんなの行動力(チームワーク)、③行動力を引き出す行動力(見守りや雰囲気づくり)

前半では、PAVLICの演出家と俳優たちによるお芝居を観て考える時間。同級生3人組が道を尋ねられますが、答えられずに冷たく断ってしまう…。さて、より快適な状況へ導くためには、どのようなコミュニケーション&行動力が発揮できるのか…

”出演者”へのインタビューや、生徒側からアドバイスを伝えるなど、海外の企業研修でも採用されている、双方向コミュニケーションを取り入れた演劇ワークショップです。

後半では、6名ずつの生徒チームが、俳優演じる「困ったことが起きた人」に向き合ってみる、即興演劇をとおして考える時間。演劇とはいえ、人に寄り添う、丁寧に向き合う、ときに見守る、個人やチームでアイディアを出し合う…様々なシーンが展開されます。

中学1年生とは思えない、人間力あふれる対応の数々に思わず感動すらおぼえます。

さらに、過去に安全ワークショップを受けている中学3年生と高校1年生の有志が「お助け隊」として協力。即興シーンの中に登場したり、講評を行うなど、講師の役割の一端を担ってくれます。

授業後に記入する「ふりかえりシート」には、生徒一人ひとりが得た感想や想いなどが綴られており、教室内や公共空間における「カイテケーション」を考える時間となっています。

年々、生徒の様子や表出する課題も変化しており、実施前には担当の先生方との打ち合わせや調整が欠かせません。

演劇のプロと市民防犯がコラボしたオンリーワンな授業です!

市民防犯インストラクター 武田信彦