茨城県防犯教室指導者講習会
茨城県教育委員会が主催する「防犯教室指導者講習会」にて講師を務めました。今回はオンラインでの実施で、県内各地から約400名の小学校の先生方が参加されました。
児童に関する「安全」は多岐に渡り、交通安全、防災、そして生活安全として防犯も含まれます。
市民防犯の視点から、以下の2点をお伝えしました。
①地域の協力による通学路の防犯対策
②児童への防犯指導のコツ
上記の2つのテーマは、密接に関わり合っており、重なり合わなければ効果を発揮しません。すなわち、通学路の防犯対策のあり方を正しく理解した上で、児童への防犯指導を行う必要があるのです。
そこで重要なのが、防犯指導において、子どもの力が主役となる防犯教育を行うこと。
現状では、犯罪が主役の防犯教育が主流のため、用いられる主語の多くが「不審者」「知らない人」「危ない人」「犯罪者」…になりがちです。これでは、参加者している児童の「自分を守る力」を引き出すことは不可能です。
防犯教育とは、生きる力を育むこと。用いられる主語は、「みんなの力」「あなたがもつ力」「観察する力」…など、子どもたちがもつ力こそが主役であるべきです。同じプログラムでも、主語が変わるだけで雰囲気が一変しますよ!
また、地域では、見守り・助け合いなど、人と人とがゆるやかにつながり合う環境づくりの中、子どもたちの安全が守られています。一方、犯罪が主役の防犯教育は、人との接触や関わりを否定する要素が強いため、齟齬が生じています。全国各地で「子どもを見守りにくくなった…」「子どもへ声をかけたら不審がられた…」といった声が年々増えています。
このままでは、地域の防犯対策と子どもたちへの防犯指導のズレが大きくなり、見守り・助け合いの環境が弱まることで犯罪が実行しやすい「子どもだけの瞬間」が広がりかねません。
今回の講習会では、人との接し方を基礎とした、コミュニケーションを否定しない丁寧な防犯教育、子どもたちの力を主役とした防犯教育の重要性と、その指導方法のコツをお伝えしました。
オンラインの中、参加された先生方には、とても熱心に参加いただきました!
市民防犯インストラクター 武田信彦