防犯の講演や研修を多数担う中で、参加者からいただく地域防犯力向上に関する質問と、市民防犯の視点からの意見やポイントをご紹介します。
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Q. ボランティアの仲間を増やすためにできることは?
A. 社会福祉協議会等が運営するボランティアセンターで告知をしてみることも方法のひとつです。また、活動の目的、やりがい、楽しい雰囲気などを広く伝えるためにコミュニティFMなどの媒体の力を借りることもおすすめします。
Q. 若い世代に参加してもらうためには?
A. 雰囲気づくりがポイントです。最も重要なのは、名称やユニフォームではないでしょうか。名称やユニフォームは、活動を表す玄関の様なものです。「やってみたい!」「ちょっと参加してみようかな」と感じる名称やデザインを取り入れることをおすすめします。
Q. やる気を維持するために必要なことは?
A. 地域の防犯活動は、目に見える成果が得られにくい…という特徴があります。見えない部分でジワジワと大きな効果を生み出しているため、定期的に意義や効果、目的を確認することが大切です。
Q. 楽しい雰囲気で取り組んでもいいの?
A. ぜひ楽しい雰囲気で取り組んでください!防犯は、まじめ、かたい、こわい…といった印象もまだまだ多いようですが、犯罪や非行と直接対峙せず、地域住民や子どもたちへ目を向ける優しさ第一の活動です。笑顔とあいさつを忘れずに、仲間同士も楽しい雰囲気で続けましょう!
Q. 参加メンバーが減ったら、辞めるべき?
A. メンバー減少は残念ですが、せっかく育まれた防犯・安全の文化が絶えることがないよう、形を変えて存続してみてはいかがでしょうか。車両を使ったパトロール、公園などの定点見守り、さらに、情報を伝える啓発活動へ切り替えてもよいかもしれません。
Q. 防犯カメラは、見守りや防犯パトロールの替わりになる?
A. 現状、ほとんどの防犯カメラは記録型です。コミュニケーションもできません。よって、地域や子どもたちを守るために、人に勝る防犯なし!な状況です。今後、認識機能、おしゃべり機能、通報機能などを搭載した街頭端末が生まれれば、”見守り”といえるかもしれませんね。
Q. 「子ども110番の家」って、意味ない?Q
A. 最近、全国で子どもの110番の家が減少傾向にあります。増やす理由はあっても、減らす理由はありません!意味がない…と感じるのは、その目的が正しく伝わっていないからです。①子どもの防犯対策の必要性を知らせる、②万が一のときに助けるといった目的があります。どうやら②だけの目的が先行してしまい、「駆けこまれないから、辞めたい」といった発想につながっています。「子どもの防犯対策を忘れずに!」の気持ちを示すことが何より大事な目的だと考えています。
Q. 通学路の防犯対策、これからできることは?
A. 子どもだけの瞬間が生まれやすい通学路の防犯対策は急務です。ちなみに、保護者の中には、通学時に付き添いたいと思っている方たちも意外と多いです。しかし、他の保護者が付き添っていないため「過保護かな…」と躊躇することも。付き添いたいと感じる保護者の皆様が気軽に付き添えるようになったら、朝の通学路に「見守り」の目が増えて、子どもだけの瞬間が減ることにつながります。「可能な範囲で、ぜひ付き添いを!」とメッセージを発信することで、雰囲気が変わるはずです。
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市民防犯インストラクター武田信彦